空と海のあいだに

元旦ジギングから約2ヶ月

少し釣りと言うか海に出たくなった


翌日のために車に船と道具を積む

この準備も慣れたはずなのに、遠い記憶を辿るように

「これで良かったっけ？」

と何度も確認する


酒も控えなきゃ、、、と思ってもついつい飲んでしまう


だらしない意思のせいで早起きが辛くなった体を叩き起こし、油切れの機械のような体と頭で船をセッティング


何とか海に浮かぶ

船外機のハンドルを握るのも久しぶり

この揺れもひさしぶり、、いいなぁ


暖機の後、プレーニングさせるためにアクセルを少し開けた

「あれ？あじさし丸って、こんなに重たかったっけ？」

ええ！？愛艇の感覚まで忘れかけてる（本当にあり得ない事）

とその時、急に大切なチェックをしていない事に気づく



「冷却水ヨシ！」「オイルプレッシャーヨシ！」



なんでこんな事まで忘れているのか、、、

こんなんで、波を超えて行けるのかな、、、操船だいじょうぶかな、、、ちょっと不安になる






浮遊するゴミを慎重に避けながら外海へ出た


幸いにも海はべた凪


ただ、べた凪と言う事は暗礁で発生する白波も立たないので別な注意も必要


案の定、頭に叩き込んでたハズの暗礁の位置や航路の感覚も消え、急接近する暗礁に何度か心臓が飛び出そうになった



ホームグランウドなのに初めての海域に浮かんだ気分

ワクワクならいいけど、心臓バクバクで気分はあまり良くない



やっと冷や汗の浅瀬を抜け、足早に以前調子の良かったポイントへ直行した


ところが反応が無い、、、ベイトの一匹も


この次に良かったと思える場所を次々と探るも、一切の反応は無し





首をかしげながら、とうとう伊江島まで来てしまった



が、、、ここでも反応は無い

ここまでくるのにガソリンも結構使うのに、この結果は精神的にも経済的にもこたえる

渋々Uターン



ポイント登録巡りに見切りをつけ、海底地形で探る


２００ｍから３０ｍまであらゆる場所を探るも一切の反応が無い、、、何一つ


思い切ってあの有名な曽根まで行くか？

いやいや、そんな気力は無い

それにシャクル腕もケイレンが始まりそうになっている

体力もだいぶ落ちたみたいで、反応の悪い海と自分に落胆していた



あれから岸伝いに無気力に移動し、気が付けばめったに来ない海域に来ていた


魚探に目をやると、ポツッとした根に久しぶりの好反応を発見



少し背筋も伸び、ドキドキしながらジグを落とす


すると底から３シャクリでヒット！


カンッカンッと頭を振り抵抗しながら上がってきたのは





大好きな大好きなカイワリ！



あ〜良かった

こんなところに君が居たのか、、、ありがとう、、、ありがとう、、、久しぶりでしかも最初の一匹が君で嬉しい、、、感謝感謝、、、あ〜良かった、俺はツイている


、、、と訳の分からない喜びの言葉を言っていたと思う


しかも自分に落胆してた事まで忘れて


釣り人ってほんとにお調子者だと思う（自分だけ？）



その後、調子に乗って夕方近くまで探るもオーマチ１匹の追加で納竿





最初の１０００円でたまたまフィーバーしたパチンコ台に頭は真っ白になり

いつまでも鳴かぬ台に夢みて大金を注ぎ込んだ、あの若かりし苦い思い出が頭をよぎる

そして１００円でも勝てば上機嫌で帰った



今も昔もなんら変わっていない自分に、変な所で気付くのでした


（変なオチですみません）